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ケース② 主訴:腰椎椎間板ヘルニア 40代男性
2014年8月30日 土曜日
症状

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左の臀部から足先までのきつい痺れがあり、腰の痛み、寝違えの様な首の付け根の痛みがあり、病院にて画像検査の結果、腰椎4番~5番の間に椎間板ヘルニア(髄核の飛び出し)が発症しており、それによって神経に刺激が加わり痺れ症状が起きているという診断を受けた。

 

 

 

 

 

既往歴・生活習慣

虫垂炎の手術(俗に言う盲腸)、立ち仕事の習慣。

来院したきっかけ

整形外科にて、あまりにも症状が収まらなければ手術をすることを勧められ、怖くなって知人の紹介で来院。

原因分析

以前に虫垂炎(盲腸)の手術を経験しており、手術を受けてから既に10年以上経過しているが、その間に強い瘢痕癒着が形成され、その瘢痕癒着に引っ張られて骨盤や腰椎に強い歪みを形成していた。そうした構造上の問題が限界にきて、椎間板ヘルニアを起こしたと考えられる。激しいスポーツや高いところから飛び降りた瞬間に痺れが起きたということでもなく、なぜ普通に生活をしていてヘルニアが起きるのかというところが、実は非常に重要な点です。

施術内容

最初の施術では、椎間板ヘルニアを起こしているところには施術をほとんど加えず、骨盤、胸椎などの問題のある骨格に優しい方法で調整を加え、それと同時に、虫垂炎の瘢痕癒着と腸間膜などの膜系の緊張の緩解を計る。また、頭蓋内の静脈洞にアプローチし、身体全体の痛みに対する感受性を改善する。他、内臓の膜を含めた全身的な施術を行う。

改善経過

初回の施術で痺れ症状はかなり軽減し、その後3度目の施術の後、痺れも痛みも全く感じなくなったという感想を頂いた。その後1か月程時間を空けて再来院したが、症状が再発していないことを確認し、再度全身の調整を行って、施術は終了した。

解説

オステオパシー施術によって多くの椎間板ヘルニアと診断された方の改善に成功してきましたが、当院の施術者は病院にて椎間板ヘルニアと診断された方でも、実際はヘルニアだけが原因となって痺れ症状を引き起こしているのではないという意見を持っています。

 

どういうことかと言いますと、そもそも強い外傷を経験したわけでもなく、普通に生活をしていてなぜ、ヘルニアが起きたのかということが重要だと考えています。実は、椎間板ヘルニアと診断された方の身体を調べてみると、内臓の膜や胸郭の膜の緊張、ヘルニアを起こした部位ではない部位の強い骨格の歪みなどを確認することが多いからです。

 

言ってみれば、ヘルニアが起きた部位自体と言うのは、そうした全身的な緊張や歪みの結果を請け負ってしまった『被害者』であると言えます。詳しくは述べませんが、椎間板ヘルニアの頻発部位である腰椎4番と5番の椎間、もしくは5番と仙骨の間の腰仙関節などは、体の他の部位のアンバランスを請け負ってしまう構造的宿命が存在します。また、そうした椎間板ヘルニアの頻発部位は馬尾神経といって、その近くを通る神経自体はそれほど太い神経ではないのに、髄核の飛び出しにより痺れや神経痛が頻発するということも、疑問が持たれる点なのです。こうした諸事情を体の構造的に鑑みて、ヘルニアが起きている部位自体にいきなり施術をしたとしても、改善が得られないことが常ですし、未熟な施術家が容易にそうしたことをすると逆に悪化させてしまうこともあります。

 

当院では、ヘルニアが起きている部位ではなく、『なぜ、ヘルニアを起こしたのか?』ということを全身を分析したうえで、非常に安全な技術を選択し、痺れ症状を早期に改善できるケースがございます。

 

また、実を言いますと、画像診断をすると椎間板ヘルニアが明らかに起きているのに、上記の方の様な痺れ症状が全くない事例も多く見受けられることがあるようです。もし本当に、ヘルニアだけが原因で痺れが起きるのであれば、全ての方に同じような症状がでなければおかしいと言えますね?

 

実際上、明らかなヘルニアが画像診断で確認されたのに、オステオパシーによって痺れや痛みが全くなくなることがありますが、再度画像診断をしても、ヘルニア自体は同じように存在するということもございます。当院では、特に腰椎椎間板ヘルニアで、整形外科にて手術を勧められたケースでも改善事例が多くございます。




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